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コンセプトは「ただ、正直であること」〜リブランディングレポート後編〜

2025.11.05

リリース

今回のリブランディングプロジェクトにおけるコンセプト設計から実施までを統括した、スマイルズ取締役・吉田さんとサラダボウル取締役・橋本の対談です。今回のリブランディングで重視したテーマとは何だったのか。両者の視点からその舞台裏に迫ります。

コンセプトは「ただ、正直であること」〜リブランディングレポート前編〜

吉田剛成(よしだ たけなり)/株式会社スマイルズ 取締役兼CHRO

2008年スマイルズ入社。Soup Stock Tokyoでの店長業務、人事部採用担当を経て、2013年から2015年にかけては、スマイルズの交換留職で経済産業省クリエイティブ産業課へ出向。中小企業の海外展開事業や海外向け情報発信の立ち上げに参画。現在は外部案件のコンサルティング、企画・プロデュース、ワークショップなどを担当。取締役として組織づくりや事業企画にも関わる。

三つのステップで本音にせまるプロジェクト

吉田:あらためてになりますが、Webサイトやロゴを見直す話はいつごろから出てたんですか?

橋本:3,4年前からありましたね。農業法人として事業規模が大きくなるにつれ、コミュニケーションのあり方を見直す必要がありそうだね、と。

運営する農場の数やスタッフが増えてくると、みんな自分の言葉、自分のスタンスを持ちはじめます。それ自体とてもよいことなんですが、会社としてのメッセージと考えると一貫性がなくなっている状態でした。

じゃあどうしようか? 何を、いかに、伝えるかを整理して、統一された言葉に落とし込み、社内外に向けてブレない想いを伝えよう──そんな流れでブランド再構築プロジェクトが始まったんです。

吉田:そうした課題点を受け取った後、大きく分けて3つのステップで進めました。

まず社員の方々への個別インタビューで率直な声を集める。次にワークショップ形式でグループディスカッションを行い、ゲーム感覚で本音を引き出す。最後に役員たちと直球で議論を重ね、方向性を固めました。

一つ一つ丁寧にプロセスを重ねることで社内のリアルな声がバランスよく集まり、組織全体の意見としてまとめられたと感じています。

橋本:それぞれのフェーズでいろいろな意見、異なる視点に気づかされました。スマイルズの皆さんにうまく導いてもらって、一人ひとりの思っていることをその都度集められたと思います。

吉田:特にワークショップは、ファシリテーションしているわれわれからしてもめちゃくちゃ面白かったです。

橋本:「サラダボウルを〇〇に例える」ってテーマのあれですよね。人によって「〇〇」に入るキーワードは全然違うけど、言われてみると「なるほど!」な例えばかりでした。

・サッカーチームだったら──「レアルマドリード」
・理由は──個性が強く、名の知れた会社だから

・ポケモンだったら──「カイリュー」
・理由は──対戦の型が豊富で、無限の可能性があるから

・山だったら──「八ヶ岳」
・理由は──独立峰でも山脈でもない、個性がある山々の集合体だから

サラダボウルのことをみんなどう思ってるのか、強みも弱みも、いいところも変えていかなきゃいけないところも自然に言語化できました。

吉田:私たちのように社外の人間にインタビューされると、「会社が好き!」ってポジティブなことを言わなきゃいけない雰囲気がありますけど、“例え”っていうフィルターを通すと遊び心があるから、普段は言いにくい本音が自然に出てきました。「おお!そっか、そういう考え方もあるかあ……ありあり!」って、みんな柔らかく受けとめられたんだと思います。

現場から生まれた「堂々と、二律背反」というテーマ

橋本:そこからですね。今回のリブランディングのテーマ、《二律背反》というキーワードが出てきたのは。

吉田:社員の皆さんに「サラダボウルらしさって?」とたずねると、人によって会社の印象が全然違う。むしろ逆で(笑)。

「安定/冒険」「知力/体力」「自由/規律」「収穫量/美味しさ」「地道な作業/スピード感」──あげたらキリがありませんが、これは面白いなあと思ったんです。だってみんな真剣ですから。

正直なんだけど真逆なことを言ってる。ただどっちかが正しいんじゃなくて、どっちもホントなんだ無理に選ばなくていいんだってことに橋本さんと気づいた瞬間、お互いに「キタっ!」と。

橋本:A or Bなんて考え方、僕たちにはないんですよ。いろんな考えが混ざり合って、一人ひとりの個性を発揮しながら共存・活躍するのが魅力です、って想いがこめられてる「サラダボウル」の社名に自然と結びついた気がします。かなり強引かな(笑)。

ただ、最初はこの《二律背反》というコンセプト、社内で全然わかってもらえませんでした。いま思うと自分自身の理解が浅く、伝え方が十分じゃなかっただけなんですが、「両方あるのがサラダボウルらしさじゃないですか!」と熱量だけで押し通すのは無理筋でしたね。

吉田:そこで外部の人間が入ると、ぐっと説得力が増しますよね(笑)。言ってることは同じなんだけど、客観的な立場から言われると腹落ち感が違うというか。

橋本:それ、ホントに痛感しました。ただ若手層もマネージャー陣も、それぞれ異なる視点を持ちながらそれぞれの価値に気づいてたはずなんです。多様な考え方を持つ人が同居してるから、自分たちらしさを無理なく強みに変えられる。この考え方をメンバーに根付かせることができたのは、サラダボウルにとって大きな旗印となったと思います。

頼り、頼られ、共に高め合う存在に

吉田:少しこれからの話をしたいと思うんですが、「おいしいねプロジェクト」のいろいろもやらせてもらってるので、先々長く、面白いことをやっていきたいんですよ。

ちなみに次は、投げかける側に立ちたいです。今回はサラダボウルさんからのご相談・ご依頼があって打ち返す立場だったけど、「こんなこと一緒にできませんか?」と積極的に仕掛けてお互いの“ならでは”をプロジェクト化してみたいです。

橋本:いいですね!僕たちは引き続き、農業を軸として地域課題と向き合いながら、新たな事業を創り出していくつもりです。エリアごとに異なる特色を見極め、単なる作物づくりにとどまらず、地域に価値ある産業としての発展を目指します。

吉田:このプロジェクトに関わって、社会的に意義のある取り組みに必然的に触れる瞬間がたくさんありました。橋本さんや田中さんの考えに間近で接して、「これはスマイルズにとっても大事な経験値になった」と感謝の気持ちでいっぱいです。

橋本:私自身、今回のリブランディングを通じて感じたのは、「自分たちがやりたいことは何か」というシンプルな自問でした。

農業法人として社会や地域からの要請に応えていくことはとても大切ですが、それが事業の目的ではない。いつも「社会的要請」という言葉を使いますが、僕らの事業は正直に言えば、社会課題を解決するために継続してきたわけでなく、ただ結果として世の中に必要とされる存在になったと自負しています。

自分のやりたいことに、強い意志を持って挑み続けるその先にそんな風景があるのだと。その想いをチーム全体で確認し、共有できたことが大きな成果になりました。引き続きよろしくお願いいたします!