はじめに、東日本大震災により被災された方々に、改めて心からのお見舞いを申し上げます。また、当時から今に至るまで、言葉では表せないほどの厳しい環境を乗り越えてこられた方々へ、心より敬意を表します。
震災直後に現地で目の当たりにした東北各地の変わり果てた風景を忘れることはできません。被災地・東北3県(岩手県、宮城県、福島県)のみなさまとは、KIRINの「復興応援 絆プロジェクト」(東北復興・農業トレーニングセンタープロジェクト(通称;農業トレセン))にて、一緒に様々な取り組みを行ってまいりました。
復興に向けた活動を続ける中で、私たち自身も被災した仲間とともに、被災した地域において新たに農業法人を立ち上げました。2016年12月に岩手県大船渡市に「株式会社いわて銀河農園」を、2017年2月には宮城県大郷町に「株式会社東北アグリヒト」を設立いたしました。
建設が始まる前のいわて銀河農園の敷地
現在のいわて銀河農園
いわて銀河農園は、被災住宅跡地を地域の未来の一翼を担う復興モデルに変えたいとの想いのもとに立ち上げ、おかげさまで5年が経過しました。
「東北の地に、アグリ(Agriculture;農業)で、未来の光(Licht;オランダ語で「光」の意)を照らす存在になりたい、農業で地域の未来を切り拓く「人(ヒト)」になりたい」という覚悟を社名に込めた東北アグリヒト(Agri+Licht)は、5年に及ぶ準備・農場建設の期間を経て、いよいよ2022年の夏に生産がはじまります。2019年に一度は竣工を迎えるはずでしたが、「令和元年東日本台風(台風19号)」が猛威を振るい、近隣河川が決壊し、氾濫する濁流に農場の全てが飲み込まれました。まさに竣工直前の出来事でした。しかし、地域全体が甚大な被害を受けた被災後の状況下においても、宮城県・大郷町、地域の皆さまのご理解とご支援、ご協力を頂き、私たちは再度立がることができ、2度目の施設建設によって本年の再始動に至っております。
地権者の皆様のご理解と、地域行政のご支援なくして数ヘクタールという規模のグリーンハウスを建設することはできません。また、このグリーンハウスで働いてくださる方の約9割が地元のパートさんです。地元の方々の助けがなければ運営することなどできません。被災された皆さまの復興への想いと支えがあってこそ、「いわて銀河農園」「東北アグリヒト」の今があります。そして、想いはつながり、2023年に福島県白河市にて「みちのく白河農園」を開業することとなりました。
東日本大震災から11年が経った今、改めてこの想いをしっかり胸に刻み込みます。私たちはこれからも、復興のお手伝いではなく、自らが実践者となって、地域に価値をもたらす事業を、地域の皆様との絆をもとに実現し、地域の未来を創ることに貢献してまいります。
サラダボウルグループ 代表 田中進
<本件に関する報道関係の方のお問い合わせ先>
株式会社サラダボウル 経営企画室 森
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